「無料 リバーブ」で調べると、どの記事も同じ3つを挙げています。
そのうちの1つを入れた。かけてみた。なんだか遠くなっただけだった——。
★★★ リバーブで失敗する原因は、選び方ではありません。量です。
★ 私は Windows 向けの無料プラグインを作っている者です。ただしリバーブは作っていません。だからここでも、売りたいものが何もありません。5本とも実際に落として、確かめて書きます。
★★ 先に結論
★★★ どれを選んでも困りません。下の5本は、どれも十分に良いです。
そして5本とも VST3 があります。——これは意外でした。無料のピッチ補正を比べたときは、定番2つが VST2 だけで、いまの DAW では既定で読み込まれませんでした。リバーブは事情が違います。形式で困ることは、まずありません。
★★ だからこの記事は、後半に「量」の話を置きます。そこが本題です。
★ いま実際に手に入る5本(2026年9月6日に取得して確認)
Valhalla Supermassive ─ ★★ まずこれ
→ 公式: https://valhalladsp.com/shop/reverb/valhalla-supermassive/
★★★ 「無料 リバーブ」の補完に ヴァルハラ が入るくらい、名前が通っています。公式に Free! と明記されていて、期限も登録もありません。
- Windows 版 5.0.0(2025年11月26日更新)。★ いまも更新されています
- 公式の変更履歴に VST / VST3 / AAX / AU の記載あり
- ★ 取得した ZIP は 3,156,933 bytes(中身は exe のインストーラ1つ)
★★ 得意なのは「広い」音です。宇宙みたいに長い残響、うねる遅延。★ ボーカルを自然に馴染ませる用途では、やりすぎになりやすいので、混ぜる量(MIX)を 10〜20% に抑えてください。
★ 同じ会社の無料はほかに2つあります(Freq Echo・Space Modulator)。どちらもリバーブではありません。
TAL-Reverb-4 ─ ★★ ボーカルにはこれが素直
→ 公式: https://tal-software.com/products/tal-reverb-4
80年代のプレートリバーブの質感を狙ったものです。★ つまみが少なく、すぐ decide できます。
- v4.0.4。公式に VST・VST3・AU・AAX・CLAP、Windows / macOS / Linux と明記
- ★ 取得した ZIP は 12,829,845 bytes。中に
installer_vst3_64.msiが入っていました
★★ 迷ったら、ボーカルにはこれです。Supermassive より素直に馴染みます。
Dragonfly Reverb ─ ★★ 実は4つ入っている
→ 公式: https://michaelwillis.github.io/dragonfly-reverb/
★★★ 1つの配布物に、性格の違うリバーブが4つ入っています。
Early Reflections(初期反射だけ)/ Hall(広い)/ Plate(板)/ Room(部屋)
- 3.2.10。★ 取得した ZIP は 22,447,365 bytes
- 中身は VST3・VST2・CLAP・LV2・単体アプリ。★ 形式で困りません
- ★ オープンソースです(中身が公開されています)
★★ 不利なことも書きます。最後の更新は 2023年4月23日です。2年以上、更新がありません。★ 動かなくなったという話は見つかりませんが、新しい OS で困っても直る保証はありません。
★ 「部屋鳴り」だけ足したいときの Early Reflections が便利です。残響を伸ばさずに、奥行きだけ足せます。
OrilRiver ─ ★ つまみが多い。作り込みたい人へ
→ 公式(配布は KVR): https://www.kvraudio.com/product/orilriver-by-denis-tihanov
有料級と言われる、細かく調整できるリバーブです。
- ★ 取得した ZIP は 24,767,832 bytes。VST3 と VST2 が x64・x86 とも入っていました
- ★★ 不利なことを書きます。同梱の版は「2.0.3 Beta」でした(
Version 2.0.3.0 Beta.txt)
★ ベータです。壊れているという意味ではありませんが、そう表示されていることは知っておいてください。安定を優先するなら TAL-Reverb-4 のほうが気楽です。
Voxengo OldSkoolVerb ─ ★ 軽い。古典的な響き
→ 公式: https://www.voxengo.com/product/oldskoolverb/
公式に 「Free Vintage Reverb Plugin」と書かれています。2.14。
- ★ 取得したインストーラは 7,509,256 bytes
- ★ ファイル名が
..._Win32_64_VST_VST3_AAX_setup.exeで、VST3 が入っています (★ ただし製品ページの表記は「VST, AU, AAX」で、VST3 の文字はありません)
★ 軽いので、たくさん挿しても重くなりにくいです。
★★★ 注意:一覧に「いまは手に入らないもの」が混ざります
★★ 「無料リバーブおすすめ」の記事や動画には、期間限定の配布が混ざっています。
- 「10000ライセンスのみ無料」
- 「プレゼント企画で期間限定で配っていた」
★★★ こういうものは、いま押しても手に入りません。記事の日付が新しくても、配布のほうが終わっていることがあります。
★ このブログでは、紹介するものは必ず自分で押します。上の5本は 2026年9月6日に実際に取得して、バイト数まで確かめたものです。
★★ 同じことが前にもありました。無料のリミッターの記事では、多くの記事が「無料」として紹介しているTDR Limiter 6 に無料版が存在しないことが分かりました。
★★★ ここからが本題。「どれ」より「どれだけ」
★★ リバーブで失敗している人のほとんどは、選定ではなく量で失敗しています。
★★ 失敗の形は2つだけ
| 症状 | 正体 |
|---|---|
| ★★ 遠い・ぼやける・歌詞が聞き取りにくい | かけすぎ |
| ★ オケから浮く・別の場所にいるように聞こえる | ★★★ ボーカルとオケで違うリバーブを使っている |
★★★ 上の「かけすぎ」が圧倒的に多いです。
★ 量の決め方
- リバーブを 0%(ドライ)にする
- 聞こえるまで、少しずつ上げる
- ★★★ 「かかっているのが分かった」ところで止めて、そこから少し戻す
★★ かかっているのが分かる時点で、たいていかけすぎです。リバーブは気づかれないほうが自然に聞こえます。
★ 目安:混ぜる量 10〜20%/長さ 1.5〜2秒。ただし曲によります。★★ 数値より、上の手順のほうが確実です。
★★★ 浮くなら、リバーブを1つにまとめる
★ ボーカルにも、ギターにも、それぞれ別のリバーブを挿していませんか。
別々の部屋で鳴っているように聞こえます。これが「浮く」の正体です。
★★★ リバーブを1つだけ用意して、全部そこへ送ってください(センド/リターン)。同じ部屋で鳴っている音になります。★ これだけで馴染みます。
★ プリディレイを少し取る
★★ リバーブが始まるまでの間を 20〜40 ms ほど空けると、歌の輪郭が残ったまま、後ろに響きが付きます。
★ 0 のままだと、声とリバーブが同時に鳴って言葉がぼやけます。
★★ そして——要らないこともあります
★★★ 「ボーカル リバーブ いらない」は、実際に検索されている言葉です。
- ラップ・語り・実況 … ★ ほとんど要りません
- オケにもう十分な残響がある … ★★ 足すと濁ります
- ★ 迷ったら、切って聴いてみる。戻したくならなければ、要りません
★★ 足したものは、必ず一度切って比べてください。差が分からないなら、その処理は要りません。
★ 選び方
| こういう方 | おすすめ |
|---|---|
| ★★ とりあえず1本 | TAL-Reverb-4。素直で、つまみが少ない |
| 広い・派手な空間が欲しい | ★ Valhalla Supermassive |
| 性格を使い分けたい | ★ Dragonfly Reverb(4種入り) |
| 細かく作り込みたい | OrilRiver(★ ベータ表記に注意) |
| 軽さ優先 | Voxengo OldSkoolVerb |
| ★ まず DAW を見たい | ★★★ それが正解です。どの DAW にもリバーブは入っています |
★★ 新しく入れる前に、お使いの DAW のエフェクト一覧を見てください。入っているもので足りるなら、それがいちばん確実です。
まとめ
- ★★★ 5本とも十分に良い。そして5本とも VST3 があります(実測)
- ★ ピッチ補正とは事情が違いました。→ そちらは VST2 の落とし穴があります
- ★★★ 差がつくのは「どれ」ではなく「どれだけ」
- ★★ かかっているのが分かる時点で、かけすぎ
- ★★★ 浮くならリバーブを1つにまとめて、全部そこへ送る
- ★ プリディレイを 20〜40 ms。言葉がぼやけません
- ★★ 要らないこともある。切って比べて、戻したくならなければ要りません
- ★ 「無料おすすめ」の一覧には、期間限定配布が混ざります
★ リバーブの前後の工程は、こちらに書きました。

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